
GISを使う上で知っておきたい専門用語 〜ジオメトリ、レイヤ構造、地物、トポロジ〜
この記事でわかること
- GISに関する専門用語(ジオメトリ、ノード、セグメント、レイヤ、地物、トポロジ)
こんな人におすすめ
- GIS用語の意味を知りたい人
- これからGISを始める方
はじめに
GISを扱っていると、初めて聞く用語に直面する場面が多々あります。この記事では、GISを扱う上で押さえておきたい専門的な用語をいくつか紹介します。
ジオメトリ
ベクタデータにおける点、線、面といったデータの形状のことを「ジオメトリ」と呼びます。
ベクタデータについて別の記事で詳しく紹介しているので、こちらの記事をご覧ください。
レイヤ・レイヤ構造
GISではデータを層(レイヤ)のように重ね合わせて地図を表現することから、それぞれのデータのことを「レイヤ」と呼びます。
また、このようにいくつかのレイヤを重ねて表現することを「レイヤ構造」と呼びます。

QGISではレイヤパネルにおいてプロジェクトに追加中のデータ(レイヤ)を直感的に管理することができるようになっています。
QGISでのレイヤ操作について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
地物(フィーチャ)
それぞれのレイヤに存在する1つ1つオブジェクトのことを「地物」もしくは「フィーチャ」と呼びます。地物は現実世界における個々のモノ(もしくはコト)に置き換えて考えることができます。
例えば、鉄道駅を示すポイントデータでは1つ1つの駅の地点のことを、建物の形状を示すポリゴンデータでは1つ1つの建物形状のことを指します。

ノード、セグメント
複数の線が交差する接合点や線の始点と終点など、線を構成する点のことを「ノード」といいます。
一方で、ノードを結ぶ線分のことを「セグメント(または、エッジ、リンク)」といいます。

トポロジ
GISにおいて、データとデータがどのように接しているのか、または重なっているかなどのデータ同士の空間的な関係性のことを「トポロジ」と呼びます。
ここでは、データ同士の空間的な関係性として、「接続性」「隣接性」「包含性」「交差性」の4つをご紹介します。データによっては、これらの関係性が成り立っていないとデータとして不正なものとして扱われる場合があります。
接続性
あるラインデータが他のラインデータと接続しているかどうかの関係性を示します。
例えば、道路を示すラインデータにおいて交差点などで道路同士が繋がっている状態は「接続性がある」と言えます。逆に一般道路の上を高速道路が横切っているように、一見してライン同士が重なっているように見えても、これは接続性がないと言えます。
経路計算や河川システムなどの解析などではこのようなラインデータ同士の接続性の有無が重要になってきます。

隣接性
互いのフィーチャ同士が隣接し合っているかどうかを示します。例えば、市町村のポリゴンデータなどではA市に隣り合うB市との間には隙間があったり、重なっていると(現実世界では市と市の間に隙間があったり、重なるはずがないので)「隣接性が不正である」と言えます。

包含性
ある地物が別の地物に含むか(あるいは含まれるか)の関係性のことを指します。
例えば公園の中に湖があるとすると、公園を示すポリゴンデータは湖のポリゴンデータを「含む」関係になります。

交差性
2つ以上の地物が交差している状態を示します。
例えば、踏切のポイントデータは道路のラインデータと鉄道のラインデータとの交差した箇所に位置していたり、ある領域のポリゴン内を通るラインデータはポリゴンに交差している関係性になっています。

おわりに
「ジオメトリ」は、ベクターデータである点、線、面といった形状のことを、また、それらの形状1つ1つのことを「地物(フィーチャ)」と言い、その地物同士の空間的な関係性のことを「トポロジ」ということを覚えておくと良いでしょう。
GISでは、これらのデータを「層」のように重ねて表現することから、それぞれのデータをレイヤと言います。これらの概念を理解することで、よりGISを効果的に活用できるようになるでしょう。