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QGIS 4.2新機能〜次期LTR版のベースとなるバージョン〜

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この記事はQGIS 4.2を使用しています。 現在のLTR(3.44)では利用できません。

この記事でわかること


  • QGIS 4.2で進化したユーザーインターフェースと設定の移行方法
  • シンボロジやプロセッシング機能に追加された注目の新機能
  • クラウドデータ(STACアセット)や3Dビューの拡張機能

こんな人におすすめ


  • QGISの最新バージョンの新機能を手早く把握したい方
  • QGIS 3からQGIS 4への移行手順や注意点を知りたい方
  • 3D表示やデータ処理の作業効率をさらに高めたい方

はじめに

2026年7月3日に、QGIS 4.2「Belém do Pará」がリリースされました。Belémはブラジル北部に位置する港湾都市で、QGISにとっては2024年に世界的なFOSS4Gカンファレンスが開催された場所としても知られています。
前回のバージョンであるQGIS 4.0は2026年3月にリリースされ、4.0シリーズの最初のバージョンとなりました。今回の4.2では、安定性を高めるための修正が多く行われたほか、いくつかの新機能も追加されています

この記事では、バージョン4.2のチェンジログから、主な新機能をピックアップして紹介します。

QGIS 4.2は、2026年10月に次のLTR版となる予定です。

ユーザーインターフェース

QGIS 3からの設定移行

QGIS 4を初めて起動したときに、QGIS 3のユーザープロファイルやインストール済みプラグインなどの設定が、QGIS 4用の別フォルダへ自動的に移行されます
設定フォルダが分かれることで、QGIS 3とQGIS 4の両方で設定を変更した場合でも、設定ファイルが破損しにくくなります。

QGIS 3とQGIS 4では設定フォルダが別々になるため、2つのバージョン間で設定は同期されません。

トポセントリック投影への対応

QGISでトポセントリックCRSが利用できるようになりました。トポセントリックCRSとは、任意の地点を原点にしたローカル座標系です。このCRSを選択すると、投影の原点を設定するための新しいウィジェットが表示されます。特定の範囲を中心にしたローカルな座標系で作業したい場合に便利で、中心点を基準に地球儀のように表示したい場面にも使えます。

トポセントリック投影の様子
トポセントリック投影の様子

3Dビューに断面図を表示

断面図の設定に、「3Dビューに断面図を表示」オプションが追加されました。このオプションを有効にすると、標高プロファイルの曲線を3Dビュー上に表示できます。曲線は標高プロファイルから取得され、曲線範囲内のデータに基づいて算出された最小・最大Z値をもとに表示されます。断面の変化を直感的に把握できます。

3Dビューを含めて断面図の表示
3Dビューを含めて断面図の表示

STACアセット対応の拡張

STAC(SpatioTemporal Asset Catalog)は、衛星画像やSAR、点群などの地理空間データを「カタログ」として整理し、検索・共有しやすくするための標準仕様です。

QGIS 4.2では、このSTAC対応が強化されました。AzureやGoogleなどのクラウドオブジェクトストレージ上にあるSTACアセットも扱えるようになり、データをよりスムーズに取り込めます。さらに、GeoTIFFだけでなくJPEG2000やTileDB、点群データなど、クラウド最適化されたさまざまな形式にも対応しました。対応する形式であれば、QGISからそのまま利用できます。

STACの点群データの表示例
STACの点群データの表示例

シンボロジ

レイヤメニューからスタイルを読み込み・保存

これまで「スタイルを読み込む」と「スタイルを保存」は、レイヤのシンボロジ設定からのみ利用できました。今回のバージョンでは、レイヤメニューの[スタイル]サブメニューから直接アクセスできるようになり、レイヤのスタイルをすばやく読み込んだり保存したりできます。

レイヤコンテキストメニューからスタイルを読み込む・保存
レイヤコンテキストメニューからスタイルを読み込む・保存

3Dシンボルのカテゴリレンダラ

QGISの3Dシンボロジで、カテゴリ分類やルールベースのレンダリングが利用できるようになりました。2Dのベクタレイヤで使われているレンダラと似た操作感で、3Dシーンの表示を設定できます。

3D表示のスタイルは2D表示とは別に、[3Dビュー]タブで3D用のシンボルとして個別に設定できます。

3Dシンボルのカテゴリ値による定義の設定
3Dシンボルのカテゴリ値による定義の設定

プロセシング

プロセシングアルゴリズムをカスタムメニューやツールバーに追加

プロセシングアルゴリズムのアクションを、ユーザーが作成したメニューやツールバーに追加できるようになりました。QGISは機能が豊富な分、目的の処理を探すのに迷うこともありますが、QGIS 4.0で追加された「独自のツールバーやメニューを作成する機能」の対象がプロセシングのアルゴリズムにも広がりました。よく使う処理をよく使う場所にまとめておけば、作業環境を自分のスタイルに合わせて整えられます。

カスタムツールバーでのプロセッシングアルゴリズムを追加
カスタムツールバーでのプロセッシングアルゴリズムを追加

ポリゴンの中心線(メディアル軸)の推定

このアルゴリズムでは、ポリゴンの「中心線」を計算できます。河川や道路などを、ポリゴンから線として取り出したいときに便利です。QGIS 4.0でも利用できましたが、SFCGALライブラリが必要でした。QGIS 4.2では、基本的な中心線の推定はSFCGALをインストールしなくても標準で使えるようになりました。なお、新しく追加された「メディアル軸の終点をポリゴン境界まで延長する」オプションを利用する場合のみ、SFCGAL 2.3以上が必要です。

ポリゴンの中心線推定結果
ポリゴンの中心線推定結果

おわりに

QGIS 4.2では、設定の移行やUIの改善に加えて、シンボロジ、プロセシング機能などが強化されています。日々の作業で使う機能によりアクセスしやすくなり、地形やデータの確認、スタイル設定、処理の実行をより柔軟に行えるようになりました。

今回紹介した機能以外にも多くの新機能が追加されていますので、詳しくはチェンジログをご確認ください。

ぜひQGIS 4.2をインストールして、新しくなった使い心地を試してみてください。

なお、QGIS3から4への移行の注意点などは下記の記事をご覧ください。

データの出典

この記事を書いた人
QGIS LAB編集部
QGIS LAB編集部

QGIS LABは、オープンソースのGISソフトウェア「QGIS」に関する総合情報メディアです。「位置から、価値へ。」をコンセプトに、位置情報で世界を拓くための知識と技術をお届けします。

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