QGIS 4.0新機能 〜QGIS 4シリーズ最初のバージョン〜
この記事でわかること
- QGIS 4.0の主な新機能と変更点
- UIの改善やデータ作成における新ツール
- プロセシングの新しいアルゴリズム
こんな人におすすめ
- QGIS 4.0の新機能を知りたい方
- QGISの最新機能を使ってみたい方
はじめに
2026年3月6日に、QGIS 4.0「Norrköping」がリリースされました。QGIS 4.0シリーズとしては最初のリリースとなります。最大の注目点は Qt6 フレームワークへの移行ですが、そのほかにも100件以上の更新が含まれています。
下記の記事では、QGIS 4.0へのアップデートのポイントや移行時の注意点などについて解説しているので、併せてご覧ください。
この記事では、バージョン4.0のチェンジログから、主な新機能をピックアップして紹介します。
ユーザーインターフェース
新しいウェルカムページ
QGIS 4.0では、新しいウェルカムページが導入されました。レイアウトが整理され、操作もしやすくなっています。

独自のツールバーやメニューを作成可能に
QGISは機能が豊富な分、メニュー項目が多く、目的の機能を探すのに迷うことがあります。バージョン4.0では、よく使う機能を自分用のメニューやツールバーとして追加・カスタマイズできるようになり、目的の操作に素早くたどり着けます。

データ管理・作成
属性テーブルをダブルクリックして地物にズーム
属性テーブルから対象行の左側をダブルクリックすることで、地図上の地物にズームできるようになりました。シンプルな機能ですが、バージョン 4.0以前では[選択した地物にズーム]ボタンを毎回クリックする必要があり手間でした。この改善により、データ探索がよりスムーズになります。

ベジェ曲線
以前のバージョンでは、曲線を多数の頂点や円弧でデジタイズできましたが、曲線の細かな調整には手間がかかりました。バージョン4.0では、一般的なグラフィックデザインツールと同様に、ベジェ曲線として曲線を細かく調整できるようになりました。
クリック&ドラッグでハンドル付きのポイントを追加でき、[Alt+クリック]でポイントのハンドルをリセットできます。

シンボロジ
カーブラベルの配置モード
カーブラベルに新しい配置モードが追加され、テキストの位置をより細かく制御できるようになりました。これらのオプションは、ライン形状レイヤでカーブラベル配置を設定すると表示されます。
新しいモードは以下の通りです。
- デフォルト
- 頂点上の文字列
- 文字間隔を広げる
- ワード間隔を広げる(例:QGIS New Version → QGIS New Version)

新しい注記選択ツール
QGISではマップ上に注記を追加することができます。注記選択ツールを使うと、注記アイテムの選択・移動・削除・サイズ変更・回転が直感的に行えます。Shiftキーで複数選択を切り替えたり、マウスで簡単に操作したりできます。

プリントレイアウト
凡例のレイヤとの同期設定
プリントレイアウトの凡例のレイヤ設定が見直されました。従来の「自動更新」チェックボックスは廃止され、代わりに3つの同期モード(すべてのプロジェクトレイヤと同期、表示中のレイヤと同期、手動)から選択できるコンボボックスが導入されました。
また、「すべて更新」操作は「リセット」機能に変更され、選択したモードに応じて凡例の設定を復元できるようになりました。

チャートアイテムの追加
新しいレイアウトチャートアイテム機能が追加されたことにより、プリントレイアウトの作成時に、データを視覚化したチャートやグラフを直接表示できるようになりました。これにより、地図と統計情報を組み合わせた、より情報豊富な印刷物の作成が可能になります。

地図帳で対象ポリゴンによる切り抜き
本バージョンでは、地図帳を有効化する際に指定したレイヤの各ポリゴン形状を使って、他のレイヤを切り抜けるようになりました。画像データや背景地図をポリゴンごとに手軽に切り抜いて活用できます。

3D
情報表示した地物をハイライト
QGISは3Dビューでベクタ地物のハイライト表示に対応しました。[地物情報を表示]モードで選択したポリゴン地物は、2Dマップキャンバスと同様に半透明のオーバーレイで表示されます。

3Dビューで注記レイヤの表示
3Dビューでは、注記レイヤをパネル状の形式(3Dビルボード)で表示できるようになりました。これにより、3D空間内でテキスト注記を効果的に視覚化できます。

プロセシング
一時出力レイヤに名前をつけることが可能に
プロセシングアルゴリズムの実行結果として生成される一時出力レイヤに名前を付けられるようになりました。同じアルゴリズムを複数回使用する際などに、出力レイヤの管理が容易になります。

Cloud Optimized GeoTiFFの変換アルゴリズムの追加
Cloud Optimized GeoTIFF(COG)は、クラウドストレージでの利用に最適化された GeoTIFF 形式です。QGIS 4.0では、既存のラスタデータをCOG形式に変換するアルゴリズムが追加されました。これにより、大容量データの公開作業が楽になり、Web上でもスムーズに表示しやすくなります。

ネットワーク解析のアルゴリズムの追加
ネットワーク検証に役立つ2つの新しいアルゴリズムが追加されました。
- ネットワークトポロジー検査アルゴリズムは、最短経路などのネットワーク解析ツールに影響する可能性があるデータやトポロジーのエラーを特定します。
- ネットワーク終端を抽出アルゴリズムは、ネットワークラインレイヤから端点を抽出します。

おわりに
QGIS 4.0「Norrköping」では、操作性を高めるさまざまな改善に加え、データ解析に関する新しいアルゴリズムも追加されています。
今回紹介した機能以外にも、数多くの新機能が実装されています。詳細については、チェンジログをご確認ください。
ぜひ、QGIS 4.0をインストールして、これらの新機能を試してみてください。
データ出典


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