QGIS 3.40新機能 〜ブラウザパネルからS3やAzure、Gドライブに接続〜
この記事でわかること
- QGIS 3.40の新機能
こんな人におすすめ
- QGISの最新機能に興味のある方
はじめに
2024年10月25日にVer.3.40「Bratislava」がリリースされました。
スロバキアの首都ブラチスラヴァ(Bratislava)はとても可愛らしい街で、中央ヨーロッパの他の首都にも近く、電車でウィーン、ブダペスト、プラハに簡単にアクセスすることができます。
この記事では、Ver.3.40のチェンジログから、いくつかの新機能をご紹介します。
ユーザーインターフェース
属性テーブルの列の幅を自動調整
属性テーブルの列の幅を、入力されている値の文字サイズに合わせて自動調整するように設定することが可能になりました。
このオプションを有効にするには、メニューバーの[設定]から[オプション]を開き、[データソース]タブで[属性テーブルを開く時にデフォルトですべての列のサイズを自動調整する]にチェックを入れてください。
プロジェクトのカラーモデルの設定
プロジェクト内でのカラーモデルを管理できる設定がプロジェクトプロパティに追加されました。カラーモデルは、RGB、CMYKで色を指定するほかICCファイルを読み込むことで設定することができます。
カラーモデルを設定していると、シンボロジの設定等であらかじめ登録している色から選択することができ、プロジェクト内で使用している色の一貫性を保つことができるようになります。
ブラウザパネルにクラウドストレージプロバイダへの接続が追加
ブラウザパネルからクラウドストレージへの接続ができるようになりました。GDALがサポートするベクタおよびラスタデータソースを、AWS S3、Azure、Google Driveなどのクラウドプロバイダから直接読み込むことができるほか、XMLファイルを通じて、接続の新規作成、変更、削除、出力、入力が可能になっています。
シンボロジ
積み上げダイアグラム
単一のフィーチャに対して複数のダイアグラムを水平または垂直に並べて表現することができるようになりました。これによって人口ピラミッドのような複雑なダイアグラムを簡単に作成することができます。
ラスタレイヤのスタイルをカテゴリごとにコピー
ラスタレイヤのプロパティやスタイルをコピーする際に、以前までは「全スタイルカテゴリ」しか選択できませんでしたが、これがカテゴリごとにコピーできるようになりました。具体的には以下のスタイルの項目から選択することが可能となっています。
- レイヤ設定
- シンボロジ
- 地図のTips
- レンダリング
- カスタムプロパティ
- 時系列プロパティ
- 標高属性
- 属性テーブルの設定
- 注意
プロセシング
プロセシングツールをお気に入りに追加する
よく使用するプロセシングツールを「お気に入り」としてまとめられるようになりました。お気に入り登録しておくことで、頻繁に利用するプロセシングツールをすぐに呼び出せるようになります。お気に入りに登録するには、プロセシングツールボックスから、プロセシングツールを右クリックして[お気に入りに追加]から可能です。
「⭐︎Favorites」のトグルは、プロセシングツールをお気に入り登録すると表示されるようになります。
おわりに
バージョン3.40では、ユーザーインターフェースの改良により、使いやすさが向上しました。クラウドに保存されたデータにも簡単にアクセスできるようになり、前バージョン(QGIS 3.38)で導入されたCMYKモードの継続的な実装に加え、プロジェクトのカラー表現に関する調整も行われています。
今回ご紹介した機能の他にも様々な新機能が実装されています。その他の新機能の詳細についてはチェンジログでご確認いただけます。