
QGISをバージョンアップさせよう!複数バージョンをインストールする方法と注意点
この記事でわかること
- QGISを最新のバージョンにアップデートする方法
- 複数バージョンのQGISを1台のデバイスにインストールする方法
- 複数バージョンのQGISを使用する際の注意点
こんな人におすすめ
- QGISの安定版を使いつつ最新機能を試したい方
- QGISのバージョン間の違いを理解したい方
はじめに
QGISは定期的にアップデートされ新機能が追加されます。QGISには自動更新機能がないため、新しいバージョンを使用したい場合は、手動で新しいバージョンをダウンロード・インストールする必要があります。QGISは複数のバージョンを同じデバイスに共存させることも可能なので、安定版を使いながら最新機能を試すことができます。
この記事では、QGISの複数のバージョンを一つのデバイスにインストールする方法や注意点を解説します。
新しいバージョンの確認方法
新しいバージョンのQGISが利用可能かどうかは、メニューバーから[ヘルプ]→[QGISのバージョン情報]をクリックすることで確認できます。

新しいバージョンのQGISがリリースされている場合、以下のようなQGISのバージョン情報に関するウィンドウが表示されます。画面に表示されている、https://download.qgis.org
のリンクをクリックすることで、QGISの最新バージョンのダウンロードページに遷移します。

QGISの最新バージョンをインストールする
ここでは、安定版(記事執筆時点で3.40)がすでにインストールされていることを前提としています。まだインストールしていない場合は、こちらの記事を参考にインストールを行ってください。
最新バージョン(記事執筆時点で3.42)をインストールするには、基本的に上記の記事と同じ手順で進めればよいですが、QGISのダウンロードページで[Latest Version for Windows]をクリックして、インストーラーをダウンロードしてください。
![[Latest Version for Windows]をクリック](https://images.microcms-assets.io/assets/6c4873527fd24450a0163b40e8e173f2/6190f7fd0ba1474395a8d91149e4541f/blog_qgis_version_update_2.png?w=1080&fm=webp)
最新バージョンのインストールが完了すると、スタートメニューや検索バーで「QGIS」と入力することで、2つのQGISバージョンがインストールされていることを確認できます。

最新版のQGIS 3.42を開いてみると、問題なく初期画面が表示されます。このように、QGISは1台のデバイスに複数のバージョンをインストールすることが可能です。

複数バージョンで共有される項目
一つのデバイスに複数のバージョンのQGISをインストールした場合、以下のユーザー設定はそのまま共有されます。
- QGISの設定(言語やUIテーマなど)
- インストール済みのプラグイン
- 最近使ったプロジェクト
これにより、バージョン間を安心して切り替えることができます。
安定版と最新版のQGISをそれぞれ起動してみると、プラグインや最近使ったプロジェクトが共有されていることが確認できます。
QGIS 3.40 LTR

QGIS 3.42

複数バージョンを使用する上での注意事項
上記で説明したように、QGISのバージョンは自由に切り替えて使用することができますが、最新版の新機能を使用したプロジェクトを古いバージョンで開くと、問題が発生することがあります。
具体例として、ラスタデータのラベリング機能が3.42から導入されましたが、最新版(3.42)でラスタデータにラベルを設定し、プロジェクトを保存した場合を見てみましょう。

このプロジェクトを、古いバージョン(3.40)で開くと、「このプロジェクトは、このQGISよりも新しいバージョンのQGIS(3.42)で作成されました。完全には読み込めませんでした。」という警告メッセージが表示されます。そして、ラスタデータのラベル設定が適用できなくなっています。
このように、複数のバージョンを切り替えて使用する際は、バージョン間の互換性に十分注意を払う必要があります。

おわりに
この記事では、QGISを最新のバージョンにアップデートする方法について解説しました。アップデートの手順は、QGISのダウンロードページから必要なバージョンを選んでインストールするだけというシンプルなものです。
言語設定やプラグインなどのユーザー設定は、すべてのバージョン間で自動的に共有されるため、安定版での作業を継続しながら、最新版の新機能も気軽に試すことができます。ただし、最新バージョンで作成したプロジェクトを古いバージョンで開く際は、互換性の問題が発生する可能性があるため、注意して利用しましょう。
各バージョンごとの新機能についても詳しく解説していますので、ぜひあわせてご覧ください。