QGISデータのチーム共有をもっと手軽に〜Kumoyの組織管理機能〜
この記事でわかること
- Kumoyの組織・チーム・役割で、共有範囲と権限を整理する方法
- ファイル共有中心の運用とKumoyを利用する運用の違い
- 案件・部署・現場・関係者共有での具体的な活用イメージ
こんな人におすすめ
- 複数人でQGISデータを扱い、案件や部署ごとに、閲覧・編集できる範囲を分けて運用したい方
- QGISを使わない発注者・上長・現場担当者にも、地図を共有したい方
- ファイル共有中心の運用から、クラウド上で同じデータを閲覧・編集する運用に移行したい方
はじめに
QGISで作成したデータやプロジェクトを、チームで安全に共有したいと感じたことはないでしょうか。個人で使う場合は手元のPCで完結できても、複数人で同じデータを扱うようになると、最新版の管理や権限設定、関係者への共有などでつまずく場面が増えてきます。
たとえば、最新のプロジェクトファイルがどこにあるのか分からない、誰かが編集したデータを別の人が上書きしてしまう、関係者ごとに見せたいデータをうまく分けられない、といった具合です。
この記事では、Kumoyの組織管理機能を使って、QGISデータやマップをチームで安全に共有・管理する方法を紹介します。
Kumoy自体について詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。
Kumoyの組織管理機能とは
Kumoyの組織管理機能は、QGISのデータやマップを、組織・チーム・役割という単位で管理するための機能です。チームプラン以上で利用できます。
会社や部署などの大きな単位(ワークスペース)を「組織」として管理し、その中に案件や部署ごとの「チーム」を作成します。さらに、メンバーごとに「役割」を設定することで、誰が管理できるのか、誰が編集できるのか、誰が閲覧のみなのかを分けられます。
利用開始からチームでデータを共有するまでの流れは、次のとおりです。
- Kumoyのアカウントを作成すると、まず自分だけが所属する組織が作られます
- チームプランにアップグレードすると、その組織で組織管理機能を利用できるようになります
- 同じ会社や部署のメンバーを組織に招待します
- 組織の中にチームを作成し、案件・部署・プロジェクトごとにメンバーやデータの共有範囲、役割を設定します
このように、最初に組織で利用メンバーを管理し、次にチームで共有範囲を分けることで、QGISのデータをファイル単位で受け渡しするのではなく、Kumoy上で共有範囲や操作できる内容を管理しながらチームで安全に利用できます。

組織
組織は、会社や部署など、Kumoyを利用する母体となる単位(ワークスペース)です。メンバーの招待・管理や、契約・プランに関する設定など、Kumoyを使うための全体設定をまとめて管理します。
たとえば、会社全体でKumoyを使う場合は会社単位、特定の部署だけで使う場合は部署単位で組織を作成します。まず組織という大きな枠を用意し、その中に案件や部署ごとのチームを作る、というイメージです。
つまり、組織は「誰がKumoyを利用するか」を管理する場所です。どのデータやマップを誰と共有するかは、組織の中に作成するチームで管理します。
組織には、オーナー・管理者・メンバーといった役割があります。これらは、主に組織全体を管理するための権限です。
役割 | できること |
|---|---|
オーナー | 管理者の権限に加えて、オーナー権限の付与、プラン変更、組織削除ができる |
管理者 | 組織へのメンバー招待、メンバー一覧の閲覧、チーム管理、組織設定の編集ができる |
メンバー | 組織の基本情報を閲覧できる |
チーム
チームは、組織の中でデータやマップを共有するための単位です。案件・部署・プロジェクトなど、実際の業務に合わせてチームを分けることで、データの共有範囲を整理できます。
同じ組織に所属していても、すべてのデータを全員に見せる必要はありません。たとえば、案件Aのデータは案件Aの関係者だけに共有し、全社で参照したい共通データは共通チームに置く、といった運用ができます。
チームには、編集者・閲覧者といった役割があります。これらは、チーム内のプロジェクトやデータに対して、どこまで操作できるかを決める権限です。
役割 | できること |
|---|---|
編集者 | チーム内のプロジェクトを管理し、データを編集できる |
閲覧者 | チーム内のプロジェクトとデータを閲覧できる |
たとえば、社内の管理担当者を組織の管理者にし、案件ごとのGIS担当者をチームの編集者、上長や関係者をチームの閲覧者にするといった使い分けができます。
このように、組織全体の管理権限と、実際のデータを扱う権限を分けられるため、QGISデータをチームで安全に共有しやすくなります。
組織管理機能でできること
Kumoyの組織管理機能を使うと、QGISのチーム運用に必要な管理をKumoy上でまとめて行えます。
1. メンバーを組織単位で管理できる
組織にメンバーを招待すると、そのメンバーをKumoy上で管理できるようになります。招待はメールアドレスを入力して行えるため、新しいメンバーの追加もシンプルです。実際にどのデータやマップへアクセスできるかは、所属するチームと役割で決まります。
メンバーが増えた場合も、組織単位で誰が参加しているかを確認できるため、Kumoyを使うメンバーを把握しやすくなります。

2. 案件・部署ごとにチームを分けられる
組織の中には、複数のチームを作成できます。案件単位、部署単位、プロジェクト単位など、実際の業務に合わせてチームを分けることで、データやマップの共有範囲を整理できます。
たとえば、次のような使い分けができます。
- 案件ごとにチームを作り、関係するメンバーだけを参加させる
- 部署ごとにチームを作り、部署内のデータを管理する
- 全社で参照したい共通データ用のチームを作る
- 機密性の高いデータは、限定したメンバーだけのチームで管理する
同じ組織内のデータでも、案件や部署ごとに共有範囲を分けられるため、必要な人だけに必要な情報を届けやすくなります。

3. 役割ごとに操作範囲を分けられる
組織やチームでは、メンバーごとに役割を設定できます。誰が管理できるのか、誰が編集できるのか、誰が閲覧のみなのかを分けられるため、誤操作や意図しない編集を防ぎやすくなります。
たとえば、GIS担当者は編集者としてデータを更新し、現場担当者や上長は閲覧者として最新の地図を確認する、といった役割分担ができます。
ファイルの置き場所や運用ルールだけに頼るのではなく、Kumoy上の設定として操作範囲を管理できるのがポイントです。

4. QGISから同じデータにアクセスできる
Kumoyにアップロードされたデータは、チームのメンバーがそれぞれのQGISからアクセスできます。ファイルをコピーして受け渡すのではなく、Kumoy上の同じデータを同期しながら編集・更新を進められるため、最新版管理の手間を減らせます。
複数のメンバーで同じデータを更新する運用にも使えます。誰かが行った変更はクラウド上のデータにリアルタイムに反映され、ほかのメンバーのQGISから同期することで最新の状態で参照できます。
なお、同じ地物や属性を複数人が同時に編集した場合、変更内容の競合が発生する可能性があります。同時に編集する場合は、担当エリアや編集対象をあらかじめ分けて作業すると安心です。

5. Webマップとして関係者に共有できる
Kumoyでは、QGISで作成・管理したデータやマップをWebマップとして共有できます。これにより、QGISを使わない関係者にも、ブラウザ上で地図を確認してもらいやすくなります。
発注者、上長、現場担当者、他部署のメンバーなど、QGISを日常的に使わない人に対しても、必要な範囲だけを共有できます。
QGISで地図を作る人、Webマップで確認する人、必要に応じて編集する人を分けられるため、チーム全体で地図を活用しやすくなります。

また、チームプラン以上では、公開マップにキーフレーズを設定することで、リンクを知っているだけでは閲覧できず、キーフレーズを知っている人だけが閲覧できます。そのため、組織にメンバーを招待しなくても、関係者に限定して共有できます。

ファイル共有中心の運用とKumoyを使った運用
QGISデータをチームで扱う方法には、ファイルサーバーやクラウドストレージでデータ一式を共有する従来の方法と、Kumoy上でデータやマップを共有する方法があります。それぞれの運用イメージを整理すると、次のようになります。
観点 | ファイル共有中心の運用 | Kumoyを使った運用 |
|---|---|---|
共有方法 | ファイルサーバー、クラウドストレージ、メール、チャット添付などでファイルを共有する | Kumoyの組織にメンバーを招待して、チーム単位でデータ・マップを管理する |
権限管理 | フォルダやファイル単位で、閲覧・編集できる人を設定する | 組織・チーム・役割で、閲覧・編集できる範囲を設定する |
編集作業 | 担当者ごとにファイルを受け渡しながら編集し、必要に応じて内容を統合する | Kumoy上の同じデータにアクセスしながら、チームで編集・更新を進める |
成果の共有 | 画像、PDF、書き出したデータなど、相手が確認しやすい形式にして共有する | Webマップとして共有し、ブラウザ上で確認してもらう |
ファイル共有中心の運用は、関係者が少ない場合や更新頻度が高くない場合、既存のフォルダ運用に合わせたい場合に取り入れやすい方法です。
一方で、複数人で同じデータを継続的に更新したい場合や、案件・部署ごとに閲覧・編集権限を分けたい場合、QGISを使わない関係者にも地図を見てもらいたい場合は、Kumoyを使った運用が向いています。
具体的な運用例
ここでは、Kumoyの組織管理機能が役立つ具体的な運用例を紹介します。組織全体の管理と、チームごとのデータ共有を分けて考えると、運用イメージをつかみやすくなります。
案件単位でのデータ管理
受託業務や社内プロジェクトでQGISを使う場合、案件ごとにチームを作り、関係するメンバーだけを招待しておくと、その案件のデータをチーム内で完結して管理できます。
GIS担当者がデータやスタイルを整え、別のメンバーが必要なデータを更新し、レビュアーがWebマップで内容を確認する、といった役割分担もしやすくなります。
部署横断でのデータ共有
会社全体でKumoyを使う場合は、部署ごとにチームを作り、共通で使うデータと部署内に閉じるデータを分けて管理できます。
たとえば、計画チームが編集するデータを調査チームや営業チームには閲覧のみで共有する、全社で参照したいデータは共通チームに置く、といった運用ができます。
現場担当と内勤者の連携
現場調査や現地確認を行う業務でも、Kumoyを使うと内勤者と現場担当者の間で同じマップを共有しやすくなります。
たとえば、内勤者がQGISで作成・整理した調査用のマップをKumoyでWebマップとして共有しておけば、現場担当者はブラウザで地図を確認しながら、調査地点や対象範囲を把握できます。
発注者・上長への閲覧共有
上長や他部署のメンバー、必要に応じて外部の関係者に地図を確認してもらう場合、QGISプロジェクトをそのまま渡すのではなく、Webマップとして共有すると確認しやすくなります。
閲覧者として共有すれば、相手はブラウザ上で地図を確認できます。QGISの操作に慣れていない人にも、必要な範囲の情報を分かりやすく届けられます。
おわりに
QGISをチームで使うときには、データの最新版管理、ファイル共有、権限管理、編集作業、関係者への共有など、個人利用とは違った課題が出てきます。
Kumoyの組織管理機能を使うと、QGISのデータやマップを組織・チーム・役割で整理し、メンバーごとに閲覧・編集できる範囲を管理できます。この仕組みにより、QGISを個人の作業ツールとしてだけでなく、チームでGISデータを扱うための共通基盤として活用しやすくなります。
組織管理機能はチームプラン以上で利用できますが、実際の業務データで試してみたい、自社の運用に合うか相談したい、という方はぜひお気軽にお問い合わせください。


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