Kumoyとは?QGISユーザーのための地図共有ツールを紹介!
この記事でわかること
- Kumoyを導入するメリット
- Kumoyでできること(地図のWeb共有、クラウド管理、チーム運用)
- Kumoyを活用できる場面
こんな人におすすめ
- QGISで設定したスタイルそのままに地図をWebで公開したい方
- QGISで作成した地図を非QGISユーザーにも簡単に共有したい方
- 複数人で同じQGISプロジェクトやデータを扱っており、その更新や管理に課題を抱えている方
はじめに
QGISで地図を作れるようになると、次の課題は「共有」と「運用」の壁です。
社内外の関係者に地図を見せたいのに相手がQGISを使っていない、データやプロジェクトが各人のPCや共有フォルダに散らばって最新版が分からない、スタイルや表示設定が環境によって崩れてしまう、こうした課題は、QGISを使うほど日常的に発生します。
この記事では、作成した地図やプロジェクトの共有・共同管理の課題を解決する、QGISユーザー向けクラウドサービス「Kumoy(くもい)」をご紹介します。
Kumoyとは?QGISとWebをシームレスにつなぐクラウドサービス
Kumoyは、QGISとWebのシームレスな連携を実現する、QGIS向けのクラウドサービスです。
QGISから地図やデータを直接クラウドにアップロードして保管でき、作成した地図をQGIS上の見た目を保ったままWebで閲覧・共有できます。さらに、組織やプロジェクト単位でデータを一元管理し、アクセス権限や更新状況の把握までを行えるため、QGISを「個人の制作ツール」から「チームで運用する基盤」へと拡張できます。
2026年3月現在はベータ版を公開しており、無料でKumoyの基本的な機能をお試しいただけます。

Kumoyでできること・特徴
Kumoyの機能は、大きく分けて次の3つに整理できます。
1. QGISで作成した地図の見た目を変えず、そのままWebマップに
Kumoyでは、QGISで作った地図をWeb上で閲覧できます。
レイヤの切り替えや属性情報の確認といった操作をWeb上でも行えるため、QGISに慣れたユーザーにとっては普段と同じ感覚で扱えます。また、QGISを使ったことがない方でも、ブラウザ上で直感的に地図を閲覧できるため、作成者の意図が伝わりやすくなります。PCはもちろん、スマートフォンでも見やすいデザインで表示できるため、現場や外出先での確認にも向きます。
共有方法もシンプルで、URLを共有するだけで地図を見せられます。組織内のメンバーに限定して公開する運用にも対応できるため、社内共有と対外共有を使い分けたい場面にも対応しやすくなります。

2. QGISからクラウドへ直接アップロード
Kumoyは、QGISの画面から直接クラウドにデータをアップロードしたり、クラウド上のデータを同期したりすることができます。QGISが扱う主要なベクタデータに幅広く対応しているため、ファイル形式を意識せずに運用できるのが特徴です。
また、データだけでなくスタイルなどの情報もあわせて保管されるため、別の端末や別のユーザーが開いても、同じレイヤ構成と見た目で作業・閲覧を継続しやすくなります。環境差による「見た目が違う」「設定が再現できない」といった手戻りを減らせるのが、QGISユーザーにとって大きな価値になります。

3. 地図やデータを組織で一元管理
Kumoyでは、組織・チーム単位でアクセス権限やメンバーをWeb上で管理できます。データの更新状況もチーム内で共有しやすく、編集の行き違いを防ぎやすくなります。なお、この組織管理機能はチームプラン以上の契約をすることで利用が可能です。
さらに、誰が・いつ・どのデータを編集・追加したかが自動的に記録されます。更新の履歴がチーム全体で共有されるため、QGISの運用で起こりやすい「誰が何を変えたかわからない」という問題を防ぎやすくなります。

想定されるユースケース
Kumoyは、作成者が慣れたQGISで作業し、閲覧者はWebで直感的に地図を確認する、という役割分担を取りやすくします。これまで、QGISそのものを前提にした共有が難しかった顧客や上長の確認・決裁の場面でも、印刷やQGISのインストールに頼らず、Webで地図を提示できるようになります。
複数人でのデータ共同管理
これまで、QGISを複数人で利用する場合は、プロジェクトファイルを共有して各自が処理する運用が一般的でした。Kumoyを使えば、クラウド上のプロジェクトファイルや関連データにメンバーが同じ環境にアクセスできるため、複数人でデータ作成や更新作業をスムーズに進められます。
また、ユーザーごとに編集者や閲覧者など権限設定をできるため、誤ってデータを上書きしてしまうリスクを抑えつつ、必要なメンバーだけが更新できる運用体制を整えられます。例えば、現場担当者は閲覧のみ、GIS担当者は編集可能、といった形で役割に応じて権限を分ければ、確認・共有のスピードを落とさずに、品質も担保しやすくなります。

災害ハザードマップや都市計画などの情報公開
想定浸水区域や公共施設など必要な情報をQGISで準備し、Web開発を行わずに、関係者が閲覧できる形で共有することが可能です。QGISで細かく作り込んだスタイルをそのまま活かしつつ、独自情報を重ねて、外出先でもスマホで確認できる地図として共有できます。

QGISでの解析結果の共有
受託業務などでQGIS上で行った解析結果(バッファ、到達圏、集計結果など)も、そのままアップロードして共有できるため、発注者がQGISを使えない場合でも、成果をWebで確認してもらえます。 作成者はQGISでデータを更新してクラウドに同期させれば、発注者はマップを開くだけで最新の内容を把握できます。成果そのものを直接共有できるため、ファイルの受け渡しや再現手順の説明といった手間を省けます。

おわりに
Kumoyは、QGISで作る地図の価値を「共有」と「運用」まで拡張するための、QGISユーザー向けクラウドサービスです。地図の見た目を保ったままWebで閲覧できること、QGISからクラウドへ直接アップロードできること、組織やプロジェクトで一元管理できること、これらはすべて、QGISを継続的に使う現場で役立つ機能です。
QGISでの制作フローが確立していても、成果の受け渡しやチーム運用の手間が増えてきた段階であれば、Kumoyの効果を実感しやすいはずです。無料でKumoyの基本的な機能を使えるため、ぜひ一度試してみてください。
データ出典
- 地理院タイル
- ©︎OpenStreetMap contributors
- 国土数値情報(高潮浸水想定区域データ、鉄道データ、行政区域データ、250mメッシュ別将来推計人口(R6国政局推計))」(国土交通省)
- 都市計画決定GISデータ(国土交通省)


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