誰でも自由に使えるGISソフトウェア「QGIS」の特徴や魅力をご紹介
この記事でわかること
- QGISの特徴やQGISでできること
- FOSS4Gとは何か
こんな人におすすめ
- QGISとは何かを知りたい方
- これからQGISを始める方
はじめに
QGISは、オープンソースの地理情報システム(GIS)ソフトウェアとして、誰でも無料で利用できるという点が非常に魅力的です。
多様なプラットフォームに対応しているため、世界中のユーザーに支持されています。そのため、政府機関や教育機関だけでなく、企業や個人ユーザーにとっても重要なツールとなっています。 この記事では、QGISの基本的な特徴やQGISでできること、ユーザー動向についてわかりやすく紹介します。
QGISとは
QGISは、地理情報システム(GIS)のオープンソースソフトウェアの1つです。無料で使用できることと、Windows、macOS、Linuxなどの複数のプラットフォームで動作することから、世界中の政府機関、研究機関、教育機関、企業、個人ユーザーによって広く利用されています。
QGISは、世界中の開発者やユーザーからなるオープンソースコミュニティによって支えられており、日々開発が進められています。
このコミュニティの活動により、ユーザーからのフィードバックや要望が反映され、バグの修正や新しい機能の追加が定期的におこなわれています。
QGISの特徴・できること
QGISの特徴やQGISでできることについて紹介します。
無料で使用可能
QGISはオープンソースソフトウェアであり、誰でも自由にダウンロードして使用することができます。そのため、導入へのコストはかからず手軽に始めることができます。
様々なOSに対応
QGISは、Windows、macOS、Linuxなどの複数のプラットフォームで利用することができます。
直感的でわかりやすいインターフェース
ツールやプロセシングの一部はアイコンで示されたりわかりやすいメニューから選択することができたりと、初心者でも操作がしやすい設計になっています。
また、画面の配置などはカスタマイズできるため、ユーザーの作業スタイルに合わせた設定が可能になっています。
マルチ言語対応
世界中の多くのユーザーによって翻訳されており、約40の言語で使用することができるようになっています。
多くのデータ形式との互換性
QGISで扱うことのできるGISデータは、シェープファイル(Shapefile)、GeoJSON、KML、GPX、CSVなど様々なデータ形式に対応しています。
そのため、他のGISソフトウェアで作成されたデータもQGISでは読み込むことが可能です。
定期的なバージョンアップ
QGISの開発はオープンな形で進められており、安全性や品質が常に意識され、ユーザーや開発者からのフィードバックが迅速に反映されます。そのため、新機能の追加やバグ修正が頻繁に行われ、定期的なバージョンアップにより、QGISは時代に合わせた技術進化に対応し、ユーザーの多様なニーズに応え続けています。
バージョンアップ情報は当サイトでもまとめていますので、下記からご覧ください。
高いカスタマイズ性
QGISはオープンソースであることから、ユーザー自身がPythonを使ったスクリプト作成やプラグイン開発を行うことが可能です。ユーザーが独自の機能を追加できる点でカスタマイズ性と拡張性が非常に高いソフトウェアといえます。
プラグイン開発は活発に行われており、2024年9月時点で1300以上ものプラグインが公開され、誰でも自由に利用が可能です。
QGISユーザー数の動向
QGISは世界中で利用されており、ユーザー数も年々増加しています。特に、以下の2つのデータからその人気が伺えます。
QGISダッシュボード
QGISの使用統計を示すダッシュボードでは、過去30日間の世界各国でのQGIS起動回数が確認できます。これにより、世界中のユーザーが日々QGISを活用していることが一目でわかります。
QGISのユーザーが世界中にいることは、国際的な知識共有の促進につながっています。
世界中のユーザーによるオンラインフォーラムやカンファレンスも存在しており、技術的な知見を共有が活発に行われています。このようなグローバルなユーザーコミュニティによって、新機能の提案やバグ修正のためのフィードバックがなされ、QGISは絶えず進化し続けています。
Googleトレンド
Googleでの検索動向が確認できるGoogleトレンドでは、日本におけるここ10年間の人気度の動向は上昇傾向にあります。
QGISはオープンソースのGISソフトウェアであり、その無料で使える特性から、特にインターネットとの相性が非常に良いと言えます。オンラインでのコミュニティ活動やドキュメントの豊富さにより、ユーザーが簡単に情報を得ることができ、導入障壁が低いのも特徴です。そういった影響から、Googleトレンドでの「QGIS」の検索動向も上昇傾向にあります。
FOSS4GとQGIS
オープンソースの地理情報システム(GIS)ソフトウェアやツール、およびそれらを活用するコミュニティのことをFOSS4G(= Free and Open Source Software for Geospatial、ふぉすふぉーじー)と呼称します。QGISはFOSS4Gを代表するソフトウェアであり、他にはGRASS GIS、PostGIS、GDALなどもFOSS4Gに含まれます。
また、FOSS4Gは国内外で開催されるカンファレンスの名称にもなっています。
このカンファレンスは、世界中のGISユーザーや開発者が集まる場となっており、最新の技術やツールの共有、協力の促進を目的としています。中でもQGISに関する技術発表やワークショップは多く、FOSS4GにおいてQGISは非常に高い注目度を有していることが伺えます。
おわりに
QGISは、誰でも自由に利用できる点や、さまざまなプラットフォーム対応、多言語サポートなど、非常に多機能で柔軟性が高いのが特徴のGISソフトウェアです。
ユーザーのコミュニティが支えるQGISは、今後も進化を続け、多くの場面で役立つツールとなっていくでしょう。