QGISを始めよう!QGISのインストール手順について紹介 〜Windows版、Mac版〜
この記事でわかること
- WindowsとMac環境におけるQGISのダウンロード・インストール手順
- QGISのLTR版と最新版の違い
こんな人におすすめ
- これからQGISを始めたい方
- QGISをインストールしてみたい方
はじめに
QGISとは、オープンソースのデスクトップGISソフトウェアです。位置情報データの作成、編集、分析、可視化などを行うための多数の機能を備えており、誰でも自由にインストール・利用できます。QGISはWindows、Mac、LinuxといったさまざまなOSで利用することが可能ですが、この記事では、ユーザーが多いであろうWindowsとMacにおけるQGIS LTR版のダウンロードからインストールまでの方法について紹介します。
QGISについて知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
インストールの前に知っておきたいこと
システム要件
QGISは公式で推奨のシステム要件を公開していません。
QGISは、比較的軽量に動作するソフトウェアのため、オフィスソフトなどが快適に操作できるようなPCであれば、基本的な地図作成やデータ処理は問題なく行えます。最低でも、以下のようなスペックのPCであることが望ましいでしょう。
項目 | 推奨スペック |
---|---|
メモリ | 8GB以上 |
CPU | Intel Core i5相当以上 |
ただし、大規模なデータを扱う場合や高度な処理を行いたい場合は、処理速度が低下する可能性があるため、このような場合は、より高性能なハードウェアが必要になることがあります。
対応するOS
QGISは、Windows、macOS、Linuxなどの複数のプラットフォームで利用することができます。
バージョンについて
QGISをインストールする際は、QGIS公式サイトからインストーラーをダウンロードします。
ここで注意すべき点は、「LTR (Long Term Release)」版(安定版)と最新版の2つのバージョンが提供されていることです。 LTR版は長期サポート版であり、安定性が高く、重要なバグ修正が定期的に行われているため、安定性が高いのが特徴です。一方、最新版は新機能が追加されていますが、不安定な要素を含んでいる可能性があります。
初心者の方や業務での使用を考えている場合は、安定性を重視してLTR版を選択することを推奨します。もし、最新の機能を試してみたい方は最新版を選択すると良いでしょう。
ライセンスについて
QGISは「GNU General Public License (GPL)」のもとで提供されており、誰でも無料で使用・変更・配布することができます。
32.1. 付録A: GNU一般公衆ライセンス(General Public License) — QGIS Documentation ドキュメント
例えば、QGISを自分でカスタマイズして使うことも、他の人に配布することも可能です。ただし、GPLライセンスの条件として、ソースコードを変更した場合、その変更部分も同じGPLのもとで公開する必要があります。
また、商用利用も許可されていますが、配布や変更の際にはGPLの規定に従う必要があります。
WindowsでのQGISのインストール手順
インストーラーのダウンロード
下記リンクより、QGIS公式サイトのダウンロードページにアクセスします。
「Before download starts」というページが表示され、寄付を求められます。
寄付をしない場合は、[Skip it and go to download]をクリックします。
「Download QGIS for your platform」ページが表示されるため、[Long Term Version for Windows OS(バージョンX.XX.X LTR)]をクリックします。最新版をダウンロードしたい場合は、右の[Latest Version for for Windows OS(バージョンX.XX.X)]をクリックしてください。
これにより、インストーラーのダウンロードが開始されます。インストーラーは約1.2GBあるため、ダウンロードに少々時間がかかります。
インストール手順
ダウンロードが完了したら、ダウンロードしたインストーラーをダブルクリックして、インストールを開始します。
インストーラーにしたがってインストールを行います。[Next]をクリックして、次に進みます。
ライセンス契約書に関する画面に遷移したら、内容を確認してから[I accept the terms in the License Agreement]にチェックを入れて、[Next]をクリックします。
インストール先の指定と、デスクトップ・スタートメニューにショートカットを作成するかどうかを確認する画面に遷移するので、変更を加えずに[Next]をクリックします。
以上でインストールに関する設定は完了です。[Install]をクリックしてインストールを開始します。
「ユーザー アカウント制御」のダイアログが表示された場合は、[はい]をクリックします。
プログレスバーが表示されるので、インストールが完了するまで待ちます。
下記の画面に遷移したらインストールは完了です。[Finish]をクリックして、インストーラーを閉じます。
QGISの起動
ここまでの手順でQGISのインストールが完了したため、QGISを起動できるか確認してみましょう。
「スタートメニュー」から[すべてのアプリ]を選択し、[QGIS Desktop バージョン X.XX.X]をクリックして、QGISを起動させます。
スプラッシュスクリーンが表示された後、次のような画面が表示されたらQGISのインストールが問題なくできています。
MacでのQGISのインストール手順
インストーラーのダウンロード
下記リンクより、QGIS公式サイトのダウンロードページにアクセスします。
「Before download starts」というページが表示され、寄付を求められます。
寄付をしない場合は、[Skip it and go to download]をクリックします。
「Download QGIS for your platform」ページが表示されるため、[Long Term Version for Mac OS(バージョンX.XX.X LTR)]をクリックします。最新版をダウンロードしたい場合は、右の[Latest Version for for Mac OS(バージョンX.XX.X)]をクリックしてください。
これにより、インストーラーのダウンロード開始されます。インストーラーは約1.7GBあるため、ダウンロードに少々時間がかかります。
インストール手順
ダウンロードが完了したら、ダウンロードしたインストーラーをダブルクリックして、インストールを開始します。
ライセンスに関するテキストが表示されるため、内容を確認し[Agree]をクリックします。
「“qgis-macos-ltr.dmg”を開いています…」と表示されるため、完了を待ちます。
読み込みが完了すると、以下の画面が表示されるため、QGISのアイコンをApplicationsフォルダにドラッグ&ドロップしましょう。これにより、QGISがApplicationsフォルダにコピーが開始されます。
コピーが完了したら、QGISのインストールが完了です。
QGISの起動
ここまでの手順でQGISのインストールが完了したため、QGISを起動できるか確認してみましょう。
Finderを開き、アプリケーションをフォルダを開き、[QGIS-LTR]をダブルクリックします。
初回起動時に「”QGIS-LTR”は、開発元を検証できません。開いてもよろしいですか?」と表示された場合は、[開く]をクリックします。
スプラッシュスクリーンが表示された後、次の様な画面が表示されたらQGISのインストールが問題なくできています。
QGISフォルダ内にあるその他のアプリについて
QGISフォルダ内には、「QGIS Desktop バージョンX.XX.X」の他に、「GRASS GIS」や「OSGeo4W Shell」などのさまざまなアプリケーションが同梱されています。QGISの基本的な機能のみを使用する場合は、「QGIS Desktop バージョンX.XX.X」以外は使用しないため、その他のアプリは特に気にしなくても問題ありません。
おわりに
この記事ではWindowsとMacにおけるQGISのインストール手順について紹介しました。
上述したように、QGISは、オープンソースのソフトウェアであるため誰でも自由にインストールが可能です。QGISは、多数のコミュニティメンバーによりボランティアで開発がされており、組織や個人からの寄付により開発と維持が実現されています。QGISの可能性をさらに広げたい・貢献したいと考える方は、プロジェクトへの参加や支援もぜひご検討ください。
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