QGIS 3.36新機能 〜2Dも3Dも!表示設定が多彩に!〜
この記事でわかること
- QGIS3.36の新機能
こんな人におすすめ
- QGIS3.36の新機能について知りたい方
はじめに
2024年2月23日にVer.3.36「Maidenhead」がリリースされました。
Windsor and Maidenhead自治体議会にちなんで「Maidenhead」と名付けられました。Windsor and Maidenhead自治体議会は、2010年にイギリスで初めてQGIS(Ver.1.8!)に移行した自治体の1つです。この自治体から、イギリスのQGISユーザーグループが始まりました。
Ver.3.36のチェンジログから、いくつかの新機能をご紹介します。
シンボロジ
ラスタ塗りつぶしシンボルのカスタマイズ
ラスタ塗りつぶしシンボルタイプでは、ラスタデータの幅と高さをそれぞれ独立して設定することができます。そのため、ラスタ塗りつぶしはさらに柔軟にカスタマイズできます。
塗りつぶし線のシンボルレイヤタイプを追加
ラインレイヤを塗りつぶしで表現することが可能になりました。マーカー線の設定のように、ハッチやグラデーションのスタイルをカスタマイズすることができます。
3Dデータ
Phongシェーダ設定の改善
Phongシェーダは、QGISの3Dビューでベクタデータを表示するためのデフォルト設定です。このシェーダは、環境光やシャイネスのパラメータをより使いやすく、適切に扱えるように改善されました。
2Dマップで3Dシーン範囲を設定するショートカットを追加
3Dマップツールバーにショートカットが追加されました。これにより、ユーザーは2Dマップ上でシーンの範囲を素早く描画できるようになりました。
点群データ
2Dマップ上にサーフェイスとしてレンダリング
点群データの2Dスタイリングに「Render as a Surface (Triangulate)」オプションが追加されました。
このオプションを使用すると、ポイントの代わりに三角形でリアルタイムにレンダリングされます。各点の色は保持され、各三角形内で補間されます。
レンダリングの高速化
デコードされたのノードを保存するキャッシュを使用することで、点群レンダリングの速度が向上しました。
この最適化により、特にLAZフォーマットのような圧縮データソースを使用する場合、パンやズーム時に同じノードを何度も解凍する必要がなくなります。
分類フラグ (Classification Flag)属性構成の改善
LAS/LAZファイルには、各ポイントに対して「synthetic」「key-point」「withheld」「overlap」の4つのフラグが含まれています。QGISのバージョン3.36以前では、これらのフラグはすべて1つの値として「ClassificationFlags」属性にまとめられており、フィルタリングや可視化で個別のフラグを使いたい場合に不便でした。
バージョン3.36では、これらのフラグを別々の属性として使用できるように再構築しました。これにより、フィルタリングや可視化の設定がより簡単になりました。そのため、以前の「ClassificationFlags」属性は削除されています。
おわりに
QGIS 3.36では、シンボロジ、3Dデータや点群データに関するさまざまな改善が行われています。詳細についてはチェンジログでご確認いただけます。
ぜひお試しください!