QGIS 3.34新機能 〜3D Tilesに対応!PLATEAUもQGISで!〜
この記事でわかること
- QGIS 3.34の新機能
こんな人におすすめ
- QGISの最新機能に興味のある方
はじめに
2023年11月5日にQGISの新バージョンである、QGIS 3.34「Prizren」がリリースされました。
QGIS 3.34では多くの機能が追加されましたが、これらは3Dデータ、ラスタデータ、およびベクタデータの3つの分野に分けられます。
この記事では、以上の3つの分野に分けて今回のアップデートで追加された機能について紹介していきます。
3Dデータ
QGISでの3D Tiles読み込み
QGIS 3.34の目玉機能は、CesiumJSで使われている3D Tiles(3Dモデル)のデータをQGISで直接読み込めるようになったことです。3D Tilesを読み込めるようになったことで、Project PLATEAUで提供されている3DデータをはじめとしたデジタルツインのモデルをQGIS上で表示できるようになりました。
読み込み方としては、データソースマネージャで「Scene」を選択し、接続の下にある「新規」ボタンで3D Tilesの置かれたURLを指定することで新しく3D Tilesのデータソースを追加できます。
ラスタデータ
ラスタデータで選択したピクセルをハイライト
QGIS 3.34からはラスタデータでもベクタデータと同様に「地物情報を表示」で選択されたピクセルが地図上でハイライトされるようになりました。
選択されたラスタデータのピクセルの行列番号を表示
「地物情報を表示」でラスタデータを選択した際に、選択されたピクセルの行と列の番号(左上のピクセルから数えたピクセル数)が表示されるようになりました。
ラスタのスタイル設定時にバンドの説明を表示
複数のバンドを持つラスタデータのスタイルを設定する際に、各バンドの説明が表示されるようになりました。
ベクタデータ
地物を選択した際のハイライトの色をレイヤ別に設定
以前のバージョンでは地物を選択した際に地物がハイライトされる色をレイヤごとに選択できませんでしたが、QGIS 3.34からはハイライトされる色をレイヤごとにスタイル設定の画面から選択できるようになりました。
ワンクリックでベクタレイヤのラベルを非表示
以前のバージョンではベクターレイヤのラベルの表示非表示設定をスタイル設定の画面から行う必要がありましたが、QGIS 3.34からは地図上にワンクリックでできるようになりました。
グリッドに行と列の番号を自動出力
QGISで作成したグリッドに、各セルが上から何番目のセル、および左から何番目のセルかが出力されるようになりました。
「ベクタ地物をファイルに保存」機能で結果を上書き
「ベクタ地物をファイルに保存」機能で地物を既存のファイルに上書きできるようになりました。
また、ファイルを上書き保存するだけでなく、レイヤを上書き保存することもでき、データ管理がかなり楽になりました。
おわりに
QGIS 3.34の目玉機能は、なんといっても3D TilesをQGIS上で読み込めるようになったことでしょう。今まで3D Tilesを確認するのにはブラウザを立ち上げて、CesiumJSでデータを読み込む必要がありましたが、QGISで読み込める用になったことで、3Dデータの制作や3Dデータに関わる開発がだいぶ楽になる印象を受けます。また、「ベクタ地物をファイルに保存」機能で上書き出力できることで、データやファイルの管理が楽になったことも嬉しいポイントです。
この他にも様々な機能が追加されているので、気になる方はぜひ最新のQGISを試してみてください!
今回のアップデートの詳しい情報は、こちらのチェンジログで確認できます。