QGIS 3.32新機能 〜点群データのプロセシングツールが追加〜
この記事でわかること
- QGIS 3.32の新機能
こんな人におすすめ
- QGISの最新機能に興味のある方
はじめに
2023年6月23日にQGIS Ver.3.32がリリースされ、便利な新機能が追加されました!この記事では、追加された新機能の一部をご紹介いたします。
3D計測機能
計測ツールが今まで平面上でしか計測ができませんでしたが、3D空間上でも計測できるようになりました。
計測点の一括コピー
3Dで計測できることに加え計測点の結果の座標点(X,Y)を一括でコピーできるようになりました。
計測点からそのまま、ラインデータを作成するのに重宝します。
ベクトルタイルがダウンロードできるプロセシング処理が追加
ベクトルタイルでお馴染みの国土地理院ベクトルタイルをローカルに保存できます。
点群アルゴリズム用に新たなプロセシングツール
プロセシングツールから点群の基本的なデータ加工もできるようになりました。
しかしながらWin版QGISのみで、Mac版QGISは現時点では対応されていないようです。
- 情報 (点群の詳細情報が表示されます。)
- ベクタに出力(点群からベクタのポイントデータとして出力が可能です。)
- ラスタに出力(点群からラスタデータとして出力が可能です。)
- 切り抜く(ポリゴンレイヤで点群を切り抜くことが出来ます。)
Pythonコンソールからシェルコマンドを実行可能に
Pythonコンソールで入力領域(>>>
)のコマンドの前に !
を付与することでシェルコマンドが実行できるようになりました。これによりpipコマンドが使えるようになり、QGISプロジェクト内でPythonパッケージを追加・削除ができるようになります。
M1/M2 Macの場合はIntel版で動いているため 初期PATHが /usr/bin:/bin:/usr/sbin:/sbin
なのでご注意ください。
コードエディタ上でのリフォーマット機能
コードエディタでは、余分な行および空白文字などが含まれていてもボタン一発でソースコードが整形されるようになりました。
コードフォーマッターは autopep8
または black
が利用されています。設定画面で変更が可能です(事前にisort、autopep2またはblackのインストールが必要です)。
おわりに
今回のアップデートは点群に対するプロセシング機能が追加された事が注目ポイントです。従来はQGIS以外のツールなどを使って点群を処理していましたが、QGIS上でも点群の処理が出来るようになり、より使いやすくなりました。
また、プログラミングされる方やプラグイン開発者にとっても直接シェルが実行できたり、ソースコードが自動整形されたりと小規模ながらも痒いところに手が届くような機能が追加されていました。
この他にも様々な機能が追加されているので、気になる方はぜひチェンジログを確認してみてください!