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QGIS 3.30新機能 〜ラスタレイヤの操作が大幅アップデート〜

投稿日: 最終更新日:
この記事はQGIS 3.30を使用しています。 2024年12月現在のLTRは3.34です。

この記事でわかること


  • QGIS 3.30の新機能

こんな人におすすめ


  • QGISの最新機能に興味のある方

はじめに

2023年3月4日にQGIS 3.30がリリースされました。

相変わらずとんでもない量の更新があったわけですが、その中から特に気になるラスタ系のアップデートについて3つ紹介していきたいと思います。

ちなみに、「's-Hertogenbosch」は、オランダの南部の都市「スヘルトーヘンボス」に由来します。

この記事は、株式会社MIERUNEのホームページで掲載されていた「QGISブログ」の内容を改訂して掲載したものです。

ラスタレイヤがMapTipsに対応

MapTipsという機能がありますが、今まではベクタレイヤにしか利用できませんでした。

(地物に対してマウスをホバーしたときに出てくる小さい表示です。)

「地図のTipsを表示」をオンにした状態であれば出てきます。

表示させたい情報はレイヤプロパティから変更可能です。

今回のバージョンアップで、このMapTipsがラスタレイヤに対応されました!

ラスタレイヤのレイヤプロパティを開き「Display」を開きましょう。

「HTML Map Tips」に所定のテキストを入力することで表示を制御できます。まずは、以下のテキストを入力してみましょう。

[% raster_value( 'L03_b_14_5339_7f3bbcba_72d7_4acc_a63f_695b2ddf67e6', 1,  @layer_cursor_point ) %]

すると指定した内容のTipsが表示されました!

「HTML Map Tips」にはHTMLテンプレートとQGISの式を入力することが可能です。

レイヤ名を調べたい、出力する値を加工したい!など色々やりたい場合は「ε」をクリックし式ダイアログを開くことで、式入力のフォームには以下を記載し、「OK」→「Insert」→「適用」の順でクリックしましょう。

マウスホバーで属性情報を確認できる

Feature: Identify on mouse move, no mouse click

次は地物情報についてです!

地物はクリックすると「地物情報結果」のパネルに属性情報が表示されます。

今回のバージョンアップでは「地物情報結果」の設置の一つに「Identify Feature(s) on mouse over」が追加されました!

これを設定すると、このように地物をホバーするだけで属性が見れます!

もちろん、ラスタレイヤでもできます!

ラスターレイヤに属性テーブルがサポート

Feature: Raster Attribute Tables (RAT) Suppport

レイヤパネルからラスタレイヤを右クリックすると「Open Raster Atrriburte Table」というメニューが出てくると思うので、クリックしましょう。

するとバンドごと・ピクセルごとにRGBAの値などを指定することができます。

ちなみに、レイヤプロパティからも確認することができます。

今回利用しているのは国土数値情報の「土地利用細分メッシュ」ですが、配色の意味はこうなっています。

QGISでRATを直接修正できるため、「Class」などに項目名を設定することもできますし、カラムを増やすことも可能です。

RATはシンボルから作成することもできますし、別のファイルを読み込むことができます。

RATは〇〇.aux.xmlという名称で保存され、ラスタレイヤとprefixが一致していれば自動で読み込まれます。

おわりに

ここで紹介した機能以外にもさまざまな機能がVer.3.30で追加されていますので、気になった方はぜひチェンジログをチェックしてみてください!

この記事を書いた人
QGIS LAB編集部
QGIS LAB編集部

QGIS LABは、オープンソースのGISソフトウェア「QGIS」に関する総合情報メディアです。「位置と情報で世界を変える」をコンセプトに、位置情報で世界を拓くための知識と技術をお届けします。

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