QGIS 3.28新機能 〜ベクタタイルの地物選択が可能に!〜
この記事でわかること
- QGIS 3.28の新機能
こんな人におすすめ
- QGISの最新機能に興味のある方
はじめに
今回は2022年10月21日にリリースされたVer.3.28「Firenze」のチェンジログから、いくつかの新機能をご紹介します。
ベクトルタイルレイヤーから地物の選択が可能に
ベクトルタイルレイヤの地物を選択できるようになりました。これにより、ベクトルタイルから任意の部分の地物をコピーして、別のレイヤにすぐに貼り付けることできます。
点群レイヤからのエクスポート機能
QGISで読み込んだ点群データをエクスポートできるようになりました。エクスポート時のオプションで別の座標系への投影変換ができたり、別レイヤのポリゴンの範囲のみの抽出や、点の数を制限するなどのフィルタリングも可能です。
2Dマップに点群のアイドーム照明(EDL)の追加
3Dビューのみにしか適用できなかった点群のEDLのエフェクトを、2Dマップ側でも「シンボロジ」の項目から設定できるようになりました。 EDL(Eye-Dome Lighting) とは、点群の輪郭を強調して奥行きを出すモードです。
凡例から属性テーブルを表示する
レイヤの凡例から属性テーブルを確認できるようになりました。ここから属性テーブルを開くと、その凡例の項目を含む地物の情報のみがフィルタリングされて表示されるので、目的の地物のデータを見つけやすくなりました。
北海道行政区域より「札幌市」の凡例から属性テーブルを表示した様子です。詳細フィルタがデフォルトで適用されています。
ラベリングのHTMLタグによるスタイリング
ラベリング時に使用できるHTMLのstyleタグに対応するプロパティが追加されました。今回のリリースでは太字の「bold」と斜体の「italic」、文字の大きさを変更できる「font size」とフォントの種類を変えられる「font family」が使用できるようになりました。
これにより、同じラベル内で別々の文字にスタイリングできる幅が広がりました。今後のアップデートでstyleタグに対応するプロパティがさらに増えるといいですね。
確認ダイアログによるセーフガード
編集モードで地図上の地物を削除するときに、前回までは対象の地物が画面外にある場合のみ確認ダイアログが表示されていましたが、今回のリリースでは地物の削除時はデフォルトで確実に表示されるようになり、削除する地物数も表示されるようになりました。
「編集作業をしていたら、いつの間にか余分に地物を消していた。」というミスが格段に減りますね。
式エディタ内でも、式に変更があった場合に閉じるボタンを押したときに、確認ダイアログがデフォルトで表示されるようになっています。うっかりエディタを閉じてしまい、長文の式を再び書き直すという事態にならなくて済みそうです。
おわりに
ここで紹介した機能以外にもさまざまな機能がVer.3.28で追加されていますので、気になった方はぜひチェンジログをチェックしてみてください!