FOSS4G HiroshimaでKumoyの種をまいてきました
この記事でわかること
- FOSS4G Hiroshima 2026でKumoyを紹介した様子
- Kumoyを使ってQGISのデータをリアルタイムで共有した事例
- ワークショップやブース、発表を通してKumoyがどう広がったか
こんな人におすすめ
- QGISやFOSS4Gに興味がある人
- Kumoyの使い方や活用例を知りたい人
- GISデータをクラウドで共有したい人
はじめに
みなさん、こんにちは。
MIERUNEでQGISエンジニアをしている、フランス出身のLayです。日本語に不自然なところがあるかもしれませんが、すみません。
FOSS4G Hiroshima 2026に、発表者とワークショップ講師として参加し、2026年4月にリリースしたQGIS向けクラウドサービス「Kumoy」を紹介しました。
グローバルFOSS4Gへの参加は、2023年のFOSS4G Prizren(コソボ)以来、今回が2回目です。その時、特に印象に残ったのが、QGIS ChairのMarco Bernasocchiさんによる基調講演 “The Importance of Seeding” 「種をまくことの大切さ」でした。
今回のFOSS4Gで起きたことを振り返ると、Kumoyもまさに「種をまく」ような広がり方をしていました。ここからは、その様子を紹介します。
ワークショップでKumoyの種をまく
Kumoyは2026年4月にリリースされたサービスです。詳しくは、以下の記事で紹介しています。
イベント前から日本では少しずつ知られるようになっていたものの、海外での知名度はまだほとんどありませんでした。仕事だけでなく、趣味でも無料版を使うくらいKumoyは便利ですし、もっと多くの人に知ってほしいと思っていたので、世界中から人が集まるFOSS4Gは、とてもよい機会でした。
そこでKumoyのワークショップを提案したところ、採択されました。しかし、直前に何人かがキャンセルし、当日の参加者は2人だけになりました。会場へ向かう路面電車で、ある人にワークショップの話をすると、“It looks interesting. If I could split myself in two, I would join.”「面白そうです。体が2つあれば参加したいです」と言われました。同じ時間にほかのワークショップもあったことが、参加者が少なかった理由の一つかもしれません。
一方、少人数だったからこそ、一人ひとりを丁寧にサポートできました。長いQ&Aセッションのようにじっくり話すこともでき、Kumoyの小さな種を確かにまけたと感じました。

まいたばかりの種に水をあげる
ワークショップの次の目標は、メインカンファレンスでさらに多くの人にKumoyを知ってもらうこと。ワークショップ会場では交流の機会があまりありませんでしたが、人とつながる方法はほかにもありました。
Kumoyブースで“Hello, where are you from?”
FOSS4GのPlatinumスポンサーとして、MIERUNEはKumoy専用ブースを出展しました。Kumoyの便利な機能の一つが、クラウド上のGISデータをQGISからリアルタイムで編集できることです。そこで、QGISで「どこから来ましたか?」という地図を作ってクラウドに公開し、ブースを訪れた人に出身地を追加してもらいました。

最終的に約90人が地図へポイントを追加してくれ、参加者がすべての大陸から集まっていることも分かりました。

追加したデータは、その場でクラウドへ反映されます。参加者は自分のスマートフォンなどから地図を確認でき、Kumoyのリアルタイム性を実際に体験できました。“Hello, where are you from?”という一言も、国や地域を問わず会話を始まりやすいです。
FOSS4Gの仲間と走る
ここで少し、技術とは別の話です。「FOSS4Run」という、走ることが興味あるのFOSS4G参加者のWhatsAppグループに招待されました。ランニング中なら自然に会話しやすく、英語を話すよい練習にもなると思い、参加することにしました。

毎日のように誰かが「走ろう」と声をかけてくれました。一緒に走っているうちに、10か国以上の仲間と知り合うことができました。走りながらお互いの発表について話すなかでKumoyも紹介し、やがて一つのアイデアが浮かびました。みんなのランニングのGPXファイルを集めてQGISに読み込み、発表中のライブデモでウェブ公開するというものです。

発表で種が芽を出す
Kumoyの発表はイベント最終日。ブースやランニング中に多くの人へ声をかけていたこともあり、部屋は満員となり、立ち見の人も数人いました。

ネットワーク環境にも無問題、ライブデモは無事成功。FOSS4Runの地図をQGISから直接ウェブへ公開し、一緒に走った仲間にも共有できました。

発表後には、ウェブ地図で使えるシンボルや、ラスターデータをクラウド用に変換する仕組みについて、たくさんの技術的な質問があり、Kumoyに興味を持ってくれた人が多いと感じました。
おわりに
2人だけのワークショップでまいたKumoyの小さな種は、最後には満員の会場で芽を出しました。これからも、Marcoさんの言葉を思い出しながら、この種を育てていきたいと思います。
“Keep seeding because, given time and commitment, a seed will turn into a tree.”
「種をまき続けよう。時間と努力を重ねれば、その種はやがて木になる」
使用データ


フランス出身のGISエンジニア。フランス国立地理科学学校(ENSG)を卒業後、フランス国土地理院(IGN)にて5年間、基本図作成やGISトレーナーに従事。2017年に来日し、現在は株式会社MIERUNEにてQGISプラグインの開発などに携わっている。