グローバルイベントが日本にやってきた!〜FOSS4G Hiroshima 2026参加レポート〜
この記事でわかること
- FOSS4G Hiroshima 2026のイベント内容
こんな人におすすめ
- FOSS4G Hiroshima 2026の様子を知りたい方
- これからFOSS4Gのカンファレンスイベントに参加してみたい方
はじめに
FOSS4Gのカンファレンスは、世界中のさまざまな国や地域で開催されています。なかでも、年に一度開催される「FOSS4G Global」が今回初めて日本で開催されました。
この記事では、FOSS4G Hiroshima 2026のカンファレンス全体の様子をレポートします。写真やリンクも多めに紹介しているので、気になるところをチェックしながら読んでみてください。参加した方には当日を振り返るきっかけになり、参加できなかった方にも会場の雰囲気が伝わればうれしいです。
イベントの概要
FOSS4G Hiroshima 2026は、広島市で1週間にわたって開催されました。国内イベントのハンズオンデイにあたるWorkshops Dayが2日間、コアデイにあたるMain Conferenceが3日間、そのほかにも関連イベントが行われました。

クロージングの発表によると、65の国と地域から828名が参加したそうです。どの国・地域から来たかを答えた746名のうち、半数以上が日本国外からの参加者でした。

国際カンファレンスということで、Keynoteには日英の同時通訳がつきましたが、アナウンスや会話は基本的に英語でした。それでも日本開催だけあって日本の参加者も多く、日本語で話して一息つける時間もありました。国際カンファレンスへの参加がはじめてで、英語でのコミュニケーションに不安を感じていましたが、「QGIS」のような共通の話題から会話を広げることができ、充実した時間を過ごすことができました。
Workshop Day
ワークショップは全53講座が開講され、2日間で午前と午後に1講座ずつ受講できる形になっていました。274人が参加し、700席が埋まったそうです。
私は「QField & QFieldCloud: Hands-On Fieldwork Workshop」と「Custom tile servers with MapLibre/Martin/Planetiler - base and overlays Workshop」の2つに参加しました。特にQField & QFieldCloudの講座はフィールドワークがあると聞いていて楽しみにしていました。室内で作成したプロジェクトに屋外でデータを追加し、室内に戻って属性フォームを編集するなど、高度な使い方まで実習しました。
普段はワークショップを開く側に回ることもあるので、フィールドワークと座学をどう組み合わせるか、自社製品を扱うワークショップをどう運営するかなど、ツールの使い方以外の面でも多くの学びがありました。

また、ワークショップには参加するだけでなく、会社が主催する講座のサポート役としても参加しました。ワークショップの様子は、下記の記事でも紹介されています。
Main Conference
Main Conferenceは3日間にわたって開催されました。1枠30分のGeneral sessionが237件、1枠5分のLightning talkが41件などがあり、14トラックで同時にセッションが進行していました。ほかにもポスターセッションや、高校生による取り組みの発表も行われました。
それぞれの発表の概要は、下記のリンクから確認できます。発表によっては資料が添付されているので、気になるものがあれば詳細をのぞいてみてください。
発表を聞いてみて
ツールの開発の話、ユースケース、ユーザーコミュニティの活動など、内容はさまざまでした。発表者の国や地域ならではの課題や事例を聞けるのは、世界中から人が集まるカンファレンスならではです。国内では出会えない話をたくさん聞くことができました。
また、質疑応答も印象的でした。単に質問するだけでなく、まず感想を述べてから質問に入る人や自身の事例を踏まえて問いを立てる人が多く、ここに国内のカンファレンスとの大きな違いを感じました。
複数のトラックが同時進行するため、気になる発表をすべて聞くことはできませんでしたが、後日アーカイブ動画が公開されるとのことなので、参加できなかった方や聞き逃した方もあとから視聴できます。

発表をしてみて
発表を聞くだけでなく、General sessionで発表する機会もいただきました。このQGIS LABを立ち上げた経緯や、サイトと記事づくりでこだわっている点をお話ししました。
質疑応答では、ポルトガル語での学習の難しさについてコメントと質問をいただきました。発表後にはその方や他の聴講者と、母語での学習やメディアのあり方について議論を交わすこともできました。
なお、発表した感想や内容については下記の記事にレポートを書いています。関心がある方はあわせてご覧ください。
世界中からの参加者との交流
ワークショップや発表のほかに、参加者同士の交流を深めるイベントもありました。Ice BreakerやGala Dinnerは懇親会のようなものですが、パーティーのような盛り上がりで、食べて、飲んで、話して、踊り、大変盛り上がるイベントでした。
Ice Breaker
Main Conferenceの1日目の夜は、広島ゲートパーク(かつて広島市民球場があった場所)に移動してIce Breakerが開催されました。Ice Breakerは、参加者同士が交流を楽しむためのイベントで、お好み焼きや地酒などを楽しみながら国内外の参加者と交流を深めることができました。
今回のIce Breakerのメインは広島音頭(盆踊り)で、広島県民謡協会に所属の有志の方に先導いただきながら、この日のために特設されたステージのまわりを広場をぐるぐると回りました。初日の夜とは思えないほどの盛り上がりでした。
多くの参加者との交流を楽しむとともに、食事や文化など、開催地ならではの魅力に触れることもできました。

Ice Breakerで話した方とは、期間中も会場で会うたびに声をかけ合って話す機会がありました。クロージングにも一緒に参加し、最後には記念撮影もしました。世界のどこかで同じツールや技術を使っている方と、こうして同じ時間を楽しめるのはすてきなことだと感じました。

Gala Dinner
国内のFOSS4Gイベントでもコアデイの終了後に懇親会がありますが、Gala Dinnerはそれをぐっと大規模にした雰囲気です。会場はホテルの宴会場で、ビュッフェ形式で料理を取り、大きな円卓に自由に座って食事や会話を楽しむスタイルでした。
特に印象に残っているのは、地元の高校生による伝統芸能「神楽」の上演です。お囃子や演舞には迫力があり、多くの人が食事の手を止め、カメラを構えて見入っていました。途中で会場を練り歩く場面があり、そのときの盛り上がりは格別でした。

FOSS4Run
FOSS4G Hiroshima 2026では、参加者同士が交流できるWhatsAppのチャットグループがいくつも作られていました。重要なアナウンスを届けるグループをはじめ、海外からの参加者が日本での過ごし方について気軽に質問できるグループ、おいしい食べものを紹介し合うグループなど、話題もさまざまです。
私もいくつかのグループに参加しましたが、中でも特に楽しかったのが、ランニング好きが集まる「FOSS4Run」です。毎朝、メンバー同士で声をかけ合い、一緒に走りながら英語での会話を楽しみました。
共通の趣味を通じて毎日交流できるのは、開催期間が長いカンファレンスならではの楽しみ方だと感じました。夜は連日遅くまで食事を楽しんでいましたが、朝から参加者と話しながら体を動かすことで、気持ちよく一日を始められました。

おわりに
この記事では、FOSS4G Hiroshima 2026の様子をレポートしました。
はじめてFOSS4Gの国際カンファレンスに参加して、同じツールや技術を使う人が世界中にいるのだと改めて実感しました。情報発信や開発にもっと貢献したい、という気持ちが湧いてくる体験でした。
次回のFOSS4G Globalは、イギリス・ブリストルでの開催予定です。国内でも毎年各地でイベントが開かれています。同じツールを使う仲間と話してみたい、開発者やユーザーの声を聞いてみたいという方にはきっと刺激になるはずです。ぜひ参加してみてください。
国内のFOSS4Gカンファレンスについては、OSGeo日本支部の公式ページで過去の開催の様子や今後の予定を確認できます。


株式会社MIERUNEで本サイトの運営やプラグイン開発、研修講師など、QGISに関する事業に従事。QGIS本体へのコントリビュートを増やしていきたい。