
QGISでスムーズに地図を比較!QMapCompareプラグインの紹介
この記事でわかること
- QMapCompareプラグインを使ってQGIS上で複数の地図を比較する方法
- QMapCompareのインストール手順
- ミラー、スプリット、レンズなどの比較モードの使い方
こんな人におすすめ
- QGISで異なる地図データを比較したい人
- 衛星画像やベースマップの違いを視覚的に確認したい人
- 災害前後の地図や過去の地図を比較したい人
はじめに
QGISを使っていると、複数の背景地図を切り替えて表示することがよくあります。しかし、一度に1枚の地図しか表示できないと、細かい違いを比較するのが難しく感じることもあるでしょう。
日本の「今昔マップ on the Web」やフランスのIGN(国土地理院に相当)が提供する「Remonter le temps」のように、異なるスタイルの地図を比較できるウェブツールはいくつか存在します。しかし、QGISには安定して地図を比較できる機能がこれまでありませんでした。そこで、新たに開発したのがQMapCompareプラグインです!
このプラグインを使えば、QGIS上で複数の地図を簡単に比較でき、異なる表示方法で可視化することが可能です。
この記事では、QMapCompareのインストール方法と機能について紹介します。

QMapCompareプラグインのインストール
まずは、QMapCompareプラグインをインストールします。このプラグインをインストールするには、QGISのバージョンが3.34以降であることが必要です。
メニューバーより[プラグイン] → [プラグインの管理とインストール]をクリックします。
![[プラグイン]から[プラグインの管理とインストール]をクリック](https://images.microcms-assets.io/assets/6c4873527fd24450a0163b40e8e173f2/0404a304d66f4896abe2f746f93b617e/howto_plugin_q-map-compare_8.png?w=1080&fm=webp)
[プラグインマネージャー]が表示されます。以下の手順に従ってQMapCompareプラグインをインストールできます。
- [全プラグイン]タブを選択
- 検索欄に
QMapCompare
と入力 - リストから[QMapCompare]を選択
- [インストール]ボタンをクリック

プラグインのインストールが完了すると、アイコンがツールバーに追加されます。アイコンをクリックすると、QMapCompareのパネルを表示・非表示の切り替えが可能です。

QMapCompareの使い方
プラグインの使い方を以下に示します。1で比較表示するレイヤを選択し、2~5のいずれかのボタンをクリックすると、それぞれの比較方法で地図が表示されます。
- Compare layers:比較したいレイヤを選択(複数選択も可能)
- ミラー:2つの地図が並べて表示される
- 縦スプリット:地図が縦に2つに分割される
- 横スプリット:地図が横に2つに分割される
- レンズ:マウスカーソルの周囲に円形のプレビューが表示される
- Stop:比較を終了する

比較方法の概要
ミラー
マップキャンバスの右側に、同じ範囲のマップビューが表示されます。
たとえば、ベースマップと衛星写真を並べて比較するなど、異なるデータを比較したいときに便利です。

スプリット
地図が2つに分割され、選択した比較用レイヤが右側に表示されます。縦スプリットと横スプリットの2種類があり、用途に応じて使い分けられます。
この方法では、OpenStreetMapの建物データと地理院地図を見比べるなど、異なるデータセットの地物を比較する際に便利です。

レンズ
マウスカーソルの周囲に円形のプレビューが表示され、そこに比較対象のレイヤが映し出されます。カーソルを動かすと、円の中の表示もリアルタイムで変化します。
この方法では、特定の地点で詳細な比較を行いたい場合に便利で、ダイナミックかつ直感的なデータ確認が可能です。

プラグインの活用事例
上記で説明したプラグインの実用的な機能は、以下のような場合に活用できます。
- 複数時点の空中写真の比較

- 災害前後の正射画像の比較

おわりに
QMapCompareは、QGIS上で異なる地図やデータセットをさまざまな方法で比較できるプラグインです。
このプラグインを使うと、一目で以下のような比較が可能になります。
- 時系列データの比較(災害前後の地図など)
- データの品質を比較(地理院地図とOpenStreetMapの精度など)
- 意思決定のサポート(異なる解析結果の比較やスタイルの違いの確認)
QMapCompareはリリースされたばかりの新しいツールなので、まだ不具合が含まれている可能性があります。不具合や改善点にお気づきの際は、こちらからご報告いただけると助かります!